リスクと収益は常に裏表の関係にある。ちなみに、その例を見てみる。「ユニクロ」と「しまむら」は、ともに収益の高い企業である。これら二社に共通しているキーワードは次の点にある。(1)共にデイリー(日常者)又はベーシックファッションを扱う点である。(2)ローコスト経営の企業である。(3)消費者志向のマーケティングを実践する会社である。(4)実全買取り(リスク負担)という革新的な企業である。なぜリスクへの挑戦が重要か。「しまむら」は二〇〇二年二月期売上高二五一五億円、経常利益一四七億円(予想)売上で一〇・八%増・経常で一〇四%増。流通業界の優等生ともてはやされているイトーヨーカ堂ですら上場以来減収減益を余儀なくされている。チームマーチャンダイジングをうたい文句業務改革をすすめていても問屋マーチャンダイジングから脱しきれず悩んでいるのだ。これに対して「しまむら」も「ユニクロ」もリスクをもって完全買取りしている会社だ。
委託仕入では店頭に並んでいる商品は小売の買い取りではなく、商品を納入している問屋やメーカーなどの納入業から委託を受け、販売しているもの。したがって、売れ残りについては納入業者が処理する。これに対して消化仕入は、商品の補充について店側が主導権をとるのでなく、納入業者が決めていく。なぜ、アパレルが卸とりわけ委託取引きにこだわっているのか。現在の百貨店側には商品企画、生産、補充機能がない。さらにメーカーや問屋に売れ残りリスクを負担してもらうこと、メーカー、問屋に派遣店員を出してもらうこと。そしてメーカー問屋にある程度の価格決定権を認めるというやり方である。また百貨店側に商品知識を持った店員を自前で育てて、自分のリスクで全部売り切ることができないのである。そこで問屋、メーカーの力が不可欠となってしまう。
具体的な衣装が記述されるのは、第3場の博打(ポーカー)シーンで、脚注に「ポーカーをやっている連中LLスタンレー、スティーヴ、ミッチ、それからパブローは、それぞれ色もののシャツを着ている、青無地、紫、紅白格子縞、薄緑、と。四人とも、男盛りといった年頃で、原色のように粗野で、直情的で、強烈である」と、ある。この衣装は後にシルクだと記されているのだが、映画では四人ともに薄汚れたTシャツ姿だ。ブロードウェイの舞台では、色物のシルクは映えるだろうが、モノクロームのスクリーンの上では目立たない。加えて色物のシルクのシャツは、当時ヨーロッパで流行したウェアである。これではアメリカを感じさせない。エリアーカザンにとっては、世界への発進として、また、彼らのカジュアルな生きざまの道具立てとして、アメリカを代表するアメリカ生まれのカジュアルウェア、Tシャツがどうしても必要だったのだ。Tシャツでなければならなかったのだ。スタンレー(および、彼のカジュアルな仲間たち)のTシャツ、すなわちアメリカは、これによって世界で完全に認知されたのである。ついでにいえば、この映画は1951年度のアカデミー主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞、美術賞、装置賞。1951年度のヴェネツィア映画祭特別賞、女優演技賞。ニューヨーク映画批評家協会作品賞、監督賞、女優賞を授賞した。ハリウッドのもくろみ通りというべきか。
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